私の場合どうやればうまく行ったか（というか「腑に落ちた」か）というと、それはなんとスティーヴン・キングの小説を読んでいるときに出会った一節からでした。そのとき私は落ち着かず、信心を持たない者（というより完全に無神論者）でしたが、その本 ――『ドクター・スリープ』――の中のある一節が、なぜか心に触れたのです。どうしてか、なぜそうなったのか、正直わかりません。でもはっきりしているのは、その一節を読んだあとに私は初めてAAのミーティングに行き、それ以来ずっと「自分には理解できない、自分なりの神様」に向かって1日2回、ひざまずいて祈ってきたということ、そしてそれ以来ずっとソーバーでいられているということです。
2011年7月のある午後、ケイシーがブース席に座っていました。ダンが店に入ってきたとき、ケイシーはまだ引退していませんでしたが、ダンにとって、長年のAA
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であり、ニューハンプシャーでの最初の雇い主でもある彼は、とても年老いて見えました。ほとんど髪は抜けていて、足を大きく引きずって歩いていました。股関節の置換手術が必要だったのですが、ずっと先延ばしにしていたのです。ダンは「こんにちは」と声をかけ、席について手を組みました。そして、ケイシーが「カテキズム（キリスト教の問答式の儀式）」と呼んでいるやり取りが始まるのを待ちました。
「今日はシラフかい、ダン？」
「シラフですよ。」
「そのソーバーの奇跡はどうやって起きたんだ？」
彼は暗唱するように答えました。「アルコホーリクス・アノニマスの
プログラム12ステッププログラム、回復のため原理、AAの基本プログラム。
と、自分なりに理解する神のおかげですよ。
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も少しは関わっていたかもしれませんね。」
「素敵な褒め言葉だけど、私にお世辞を言っても意味がないよ。 それと同じことを私はあなたには言わないから。」
ウェイトレスのパティがコーヒーポットを持ってやってきて、ダンにおかわりを注ぎました。
何も言わずに。「元気そうね、ハンサムさん。」
ダンはにっこりと微笑んだ。「元気だよ。」
彼女はダンの髪を軽く撫でると、カウンターに戻って行きました。
その歩き方には余裕が漂っていました。
男性たちは、どうしても彼女のお尻の動きに目を奪われてしまいます。
そしてケイシーは再びダンに視線を戻した。 「その『自分なりに理解する神』のことで、進展はあったか？」
「あまり進んでいませんね」とダンは言った。
「多分一生かかる仕事だと思っていますよ。」
「でも毎朝、飲まないように助けを求めてるんだろう？」
「そうですよ」
「ひざまづいてかい？」
「そうです」
「夜には感謝を捧げているかい？」
「ひざまづいて感謝を捧げていますよ」
「それは何故だい？」
「アルコールが僕をそこに追い込んだことを思い出す必要があるからです」とダンは言った。
それは絶対的な真実でした。
ケイシーはうなずいた。「それが最初の三つのステップだ。簡潔に言ってみて」「私にはできない、神にはできる、だから神に委ねる」そして彼は付け加えた。
「自分なりに理解する神に。」
「でも、その神のことを君は理解できないんだね。」
「そうです」
「じゃあ、なぜ酒を飲んだのか言ってみて」
「僕がアルコール依存症だからです」
「ママが愛をくれなかったからじゃないのか？」
「違う。」母のウェンディには欠点もあったが、彼女のダンへの愛も、ダンの彼女への愛も、決して揺らぐことはありませんでした。
「パパが愛をくれなかったからか？」
「違う。」でも父は一度、僕の腕を折り、最後にはほとんど僕を殺しかけました。
「遺伝的なものだからか？」
「違う。」
ダンはコーヒーを一口飲んだ。「でも ... それも理由だったんです。あなたもそれをわかってくれるでしょう？」「もちろんわかっているとも。そして、それが重要ではないこともわかっている。僕たちはアル中だから飲んだんだ。僕たちは決して治らない。ただ、毎日霊的な状態を維持することで一時的に助けをもらうだけ、それがすべてなのさ。」
「わかりました、ボス。この部分は終わりですか？」
「だいたいね。今日は飲みたいと思ったかい？」
「思いませんでしたよ。あなたはどうですか？」
「思わなかったさ。」ケイシーはにっこり笑った。
それは彼の顔に光を与え、再び若返ったように見えた。
「それは奇跡なんだよ、ダニー、そう思わないかい？」
「はい、そう思いますよ。」
そう、間違いなく奇跡なんです。
Translator : yu
How it worked for me (or rather how it “clicked”) was from a passage I read, in all places, a Stephen King novel I was reading. I was restless, agnostic (if not flat out atheistic) but a passage in the book (Dr. Sleep) just…touched me somehow. I don’t know how or really why but what I do know is I went to my first AA meeting after reading it and I’ve been praying, on my knees, twice a day, to “the God of my understanding that I don’t understand” and been sober ever since. I
Casey was sitting in a booth when Dan came in on a July afternoon in 2011, and although Casey hadn't made it to retirement yet, to Dan his longtime AA sponsor (and first New Hampshire employer) looked very old. Most of his hair was gone, and walked with a pronounced limp. He needed a hip replacement, but kept putting it off. Dan said hi, sat down, folded his hands, and waited for what Casey called The Catechism.
"You sober today, Danno?"
"Yes."
"How did that miracle of restraint happen?"
He recited, "Thanks to the program of Alcoholics Anonymous and the God of my understanding. My sponsor may also have played a small part."
"Lovely compliment, but don't blow smoke up my dress and I won't blow any up yours.
Patty came over with the coffeepot and poured Dan a cup, unasked. "How are you, handsome?"
Dan grinned at her. "I'm good."
She ruffled his hair, then headed back to the counter, with a little extra swing in her stride. The men followed the sweet tick-tock of her hips, as men do, then Casey returned his gaze to Dan.
"Made any progress with that God-of-my-understanding stuff?"
"Not much," Dan said. "I've got an idea it may be a lifetime work."
"But you ask for help to stay away from a drink in the morning?"
"Yes."
"On your knees?"
"Yes.
"Say thank you at night?"
"Yes, and on my knees.
"Why?"
Because I need to remember the drink put me there," Dan said. It was the absolute truth.
Casey nodded. "That's the first three steps. Give me the short form." "I can't, God can, I think I'll let Him." He added: "The God of my understanding."
"Which you don't understand."
"Right."
"Now tell me why you drank."
"Because I'm a drunk.
"Not because Mommy didn't give you no love?"
"No." Wendy had had failings, but her love for him -and his for her- had never wavered.
"Because Daddy didn't give you no love?"
"No." Although once he broke my arm, and at the end he almost killed me.
"Because it's hereditary?"
"No." Dan sipped his coffee. "But it is. You know that, right?" "Sure. I also know it doesn't matter. We drank because we're drunks. We never get better. We get a daily reprieve based on our spiritual condition, and that's it."
"Yes, boss. Are we through with this part?"
"Almost. Did you think about taking a drink today?"
"No. Did you?"
"No" Casey grinned. It filled his face with light and made him young again.
"It’s a miracle. Wouldn’t you say it’s a miracle, Danny?”
“Yes. I would.”
Yes, a miracle indeed.
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